【言語聴覚士監修】脳内会話をやめたい!大阪警察官襲撃事件の闇に迫る
【言語聴覚士監修】脳内会話をやめたい!大阪警察官襲撃事件の闇に迫る
この記事を書いている僕は現役言語聴覚士として17年以上のキャリアがあり、内10年以上精神科病院の職員としての勤務歴があります。 インターネット散策をしていると、脳内会話をやめたい!と困っている相談をちらほら見かけます。 この記事では、脳内会話の原因が、統合失調症という病気による可能性もあるので、その辺りにフォーカスを当てて掘り下げていきます。少し前に、大阪であった警察官襲撃事件をベースに書いていきます。
大阪警官襲撃事件とは
大阪府吹田市の吹田署千里山交番で巡査が刺され拳銃が奪われた事件で、強盗殺人未遂容疑で逮捕された飯森裕次郎容疑者(33)は昨年11月から、東京都大田区のゴルフ練習場でアルバイトとして勤務していた。練習場の運営会社が取材に答えた。事件4日前の今月12日から欠勤していたという。 現場の交番から北へ約8キロ離れた同府箕面市の山中で、身柄を確保した。拳銃を所持しており、実弾1発が発砲された形跡があったという。飯森容疑者は調べに「私のやったことではありません」と容疑を否認しているという。(朝日新聞記事より抜粋)
精神疾患の可能性
今回の事件で気になる発言がある。 それは、バイト先であるゴルフ場の担当者が取材中に言った発言である。 「(容疑者には以前から)幻覚がみえる事があった」 これは大変重要な証言である。 また、山中で容疑者が警官に確保された際に「私のやった事ではありません」との供述である。 私はこの発言からある精神疾患の可能性が高いのではないかと思っている。 それは「統合失調症」である。
統合失調症とは
統合失調症の症状は大きく、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」に分けられます。
出典:ヤンセンファーマ株式会社ホームページ
「私のやった事ではありません」の違和感
皆さんは、容疑者のこの発言に違和感を感じなかったでしょうか? 私は物凄く違和感を感じました。 通常、容疑者が事件関与を否定する場合「私はやっていません」や「私は知りません」と言った否定発言となるはずです。 しかし、今回の容疑者発言では「私のやった事ではありません」と言っている… じゃあ誰がやったんだ? さも、真犯人は別にいて、その犯人を知っているかのような発言ですよね〜 実際には、警察署近辺の防犯カメラにもバッチリ映っており、且つ逮捕時に拳銃を所持していたわけですから、犯人は他ならぬ容疑者なわけです。 仮に容疑者が統合失調症を患っていて、幻覚や妄想などの急性期症状を認める場合、自己意識の欠如から、今回の様な発言をしても何らおかしくない話なのです。
メディアが報道すべき事
メディアでは、犯行の動機について、「殺人目的ではない?」「拳銃が欲しかったのでは?」「一体何が目的なの⁇」と表面的な情報源からの憶測報道ばかりが目立ちます。 先述した通り、バイト担当者の発言や容疑者本人の発言からは、明らかに精神疾患の可能性が疑われる為、しっかりと精神鑑定にかけて真相を明らかにしてから報道すべきであろう。 幻覚や妄想は統合失調症者の急性期症状であり、医療専門機関における医師の診察と適切な治療が必要である! そして、仮に精神疾患認定が確定したならば、世間への周知の徹底と病状理解、対応策について報道していく必要があると思う。
脳内会話の原因が統合失調症の可能性あり
統合失調症には幻覚や妄想といった陽性症状のみでなく、認知機能低下を伴う陰性症状が生じる為、幻覚や妄想症状がなくても、一度近隣の医療機関を受診して頂く事をお勧めします。
まとめ
これでおしまいです。