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【言語聴覚士監修】言葉がでない!プロが症状パターン別に解説【まとめ】

言語聴覚士監修】言葉がでない!プロが症状パターン別に解説【まとめ】

 

言葉がでなくて困っている人
言葉がでなくて困っている人
言葉がでなくなった…どうしちゃったんだろうか(心の声)

こんな悩みを解決します。 ✔︎ 記事の内容

  • 言葉がでない!症状パターン別にプロが解説
  • 言葉以外の症状パターンについてもプロが解説
  • 言語聴覚療法の対象について解説【基礎知識】

 

のんパパ
のんパパ
こんにちは、のんパパ(@tyuunenn blog)です。 この記事を書く僕は、現役言語聴覚士として17年の経験があります。ことばのプロである僕が言葉がでない症状パターン別に解説します。

記事の信頼性として、国家資格証です↓ ※記事は随時掲載公開しますので、ブックマークしておくと便利です。  

言葉がでない!症状パターン別解説【小児編】

赤ちゃんがしゃべらない…

赤ちゃんがことばをしゃべらない…

親としてはなんとも不安で仕方がないですよね。 一般的な言語発達では、

  1. 喃語『うー、あー、うっくん等』(生後2ヶ月頃出現)
  2. 反復喃語『まんまんまんまんま…』(生後6〜8ヶ月頃出現)
  3. 1語文『まんま、ワンワン等』(1才くらい)

あくまでも、発達里程表の目安であり、個人差はあります。 ※1才を過ぎても喃語すらしゃべらない、喃語から一語文に繋がらないなら、言語発達遅滞などの発達障がいの可能性が考えられる為、市の発達センターや発達外来のある医療機関にご相談ください。   赤ちゃんが喋るのはいつから?(近日中に記事公開)  

言葉がはっきりしない…

 

喋っている言葉がいまいちはっきりしない

こんな可能性が考えられます。

  • 口蓋裂など先天性の器質異常
  • 機能性構音障がい
  • 言語発達遅滞
  • 吃音

先天性の器質異常は、補綴装置や手術で改善することがありますが、他の原因に関しては言語訓練の対象となります。 ※吃音に関しては、初吃3才・男児に多いと言われています。就学前5才くらいまでに環境調整で改善する事も多く、気になる方発達外来などで聞いてみると良いでしょう。  

正しく発音ができない…

子供の発音が気になる…特定の音が歪んでしまったり、うまく発音できていない

こんな可能性が高いです。

  • 先天性の器質異常
  • 機能性構音障がい

簡単に言うと、 先天性器質異常は、口蓋裂・口唇裂などに伴う開鼻声(鼻から息が漏れてしまう共鳴異常)や舌小帯短縮症(舌の動きに制限がでてしまう)などにより、聞き手からしたら非常に聞き取りづらく感じることでしょう。 機能性構音障がいは、器質異常はないものの、誤った発音の仕方をしている事が原因で起こります。様々な種類がありますが、代表的なものに、呼気が側方から漏れてしまう側音化構音があります。 機能性構音障がい(STの間では機能構と略される事が多い)は、しっかり言語治療を受ければ治る事が多いです。  

どもってしまう…

子供が3才くらいからどもりだしちゃって、親としてどう対処したら良いかわからず困っている

こんな可能性が高いです。

  • 吃音

前の項目でも触れましたが、初吃年齢は3才で男児に多いです。 親として絶対にしてはいけない対応があります。 それは、『言えない事を叱ったり、無理に訂正しようとすること』です。 吃音になる原因は、環境説や遺伝説など様々ありますが、今のところはっきりとした原因は不明です。 大切なのは、『その子の個性』と思って受け入れて、『決して急かさずに待ってあげる』事です。それだけでも、吃音症状が軽くなる事があります。 5才を過ぎても改善の兆しが見えない、もしくは悪化している場合には、最寄りの吃音外来を行なっている医療機関にご相談ください。  

言葉が遅れている…

3歳児健診でことばの遅れを指摘されたんだけど、この先どうしたら良いか不安です。ことば以外の発達は問題ないみたい。

こんな可能性が高いです。

自閉症は、生まれてから成長過程であまり笑わない、視線が合わない、一つの玩具にやたらと固執するなどの症状が現れるのが特徴です。 近年は、自閉症支援プログラム『TEACCH』による包括的社会支援も行われています。   SLIは、認知や運動発達などは全く問題ないけど、言語発達のみ遅れている事が特徴でしょう。 発見が早ければ、包括的言語発達支援プログラムを実施する事で、発達年齢に即した言語能力を獲得できるかもしれません。 https://tyuunenn-blog.com/%e3%80%90%e8%a8%80%e8%aa%9e%e8%81%b4%e8%a6%9a%e5%a3%ab%e7%9b%a3%e4%bf%ae%e3%80%91%e5%b9%bc%e5%85%90%e3%81%ae%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%8c%e9%81%85%e3%81%84%ef%bc%81%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%8b%e3%81%91/  

耳の聴こえが悪い…

子供に話しかけても、聞こえてないのか反応がない事が多いです

こんな可能性が高いです。

  • 先天性感音難聴

感音難聴は、耳の深部にあたる内耳の原因で起こります。 脳性麻痺学習障害発達障害を合併する事があります。 音に対する見かけの反応はわかりにくいため、診断はABR、耳音響放射、行動反応聴力検査など他覚的検査法で行います。 補聴器の装用による療育を行いますが、補聴器の効果が不十分であれば人工内耳埋込術を1歳半以降に行う事が多いです。    

言葉がでない!症状パターン別解説【成人編】

 

顔や口まわりの筋肉が動かない‥

片方だけ顔が動かなくなった。いったい何が起こったのか‥

こんな可能性が高いです。

  • 顔面神経麻痺

顔面神経麻痺には、大きく分けると2種類あります。 中枢性顔面神経麻痺は、脳の病気が原因で起こる後遺症です。 末梢性顔面神経麻痺は、顔面神経が圧迫されたり、ウイルスに侵されることで起こります。 中枢性タイプは、麻痺側の口唇や頬周囲部をマッサージしたり、意識的に口の周囲筋を動かす練習をすると良いでしょう。 末梢性タイプの場合は、ステロイドや抗ウイルス治療をします。 発症から長期経過している場合、温熱療法やマッサージ、発音リハビリなども取り入れながら改善を図ります。    

呂律がまわらない…

こんな可能性が高いです。

  • 運動障害性構音障がい

様々なタイプがありますが、ここでは割愛します(別に記事にします)。 特徴だけ言っておくと、音の誤りや歪みに一貫性があるってことです。 回復には個人差があり、残念ながら完全に元どおり治る事はありません。 大事な事は、誰とどの様なスタイルでどの程度コミュニケーションがとれるようになりたいかだと思います。 QOL(生活の質)を最大限高められるようサポートする事が大事です。  

言葉がでない…

こんな可能性が高いです。

失語症は、脳の言語野(一般的に左脳)が損傷を受けると起こります。 無動無言症に関しては、初めて聞く人も多いのではないでしょうか? これは、脳の前頭葉損傷で起こる高次脳機能障がいの一つで、名前の通り無動無言症状が特徴的です。 心因性発声障がいに関しては、ストレスなどが原因で、ある日突然声が出せなくなってしまうものです。 失語症は認知神経アプローチ、無動無言症には精神賦活アプローチ、心因性発声障がいには発声練習を実施します。   https://tyuunenn-blog.com/%e3%80%90%e3%83%97%e3%83%ad%e3%81%8c%e8%a7%a3%e8%aa%ac%e3%80%91%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%8c%e5%87%ba%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%81%e3%81%8a%e3%81%99%e3%81%99%e3%82%81%e3%81%ae%e3%83%88/  

聞いたことが理解できない…

こんな可能性が高いです。

先天性の難聴では、内耳機能に原因がある感音性タイプが多いです。後天性の難聴は、外耳や中耳の異常(鼓膜穿孔や外耳道炎など)によるものが多いです。 失語症は、脳卒中などの後天性の器質異常により発症する神経心理学的症状です。 聴覚失認は、一般的に広義では、環境音(日常の生活音)が聞き取りにくい症状ですが、狭義では言語音が聞き取りにくい場合もあります。 難聴の場合、タイプによって補聴器や人工内耳の適応となります。 失語症の場合、症状に応じた認知神経心理学的アプローチを実施します。 聴覚失認の場合、音の判別向上を目的としたアプローチを実施して、語音弁別能力向上を図ります。

文字が読めない…

こんな可能性が高いです。

視覚障害は、先天性の弱視色盲などにより、視界がボヤけたり色彩感覚がおかしかったりします。 失語症による視覚障害は、『錯読』と呼ばれるものです。文字は見えているのですが、うまく読むことができなかったり、文字を読み間違えたりしてしまう症状です。 視覚失認の場合、目では見えているけれど、物の形がわからなかったり、手で触れることでわかる場合もあります。統覚型や連合型といったタイプにより症状が異なります。 半側空間無視は、脳梗塞などの中枢疾患に伴い生じる事の多い症状です。右脳損傷なら左視野、左脳損傷なら右視野の対象物に気づかずにぶつかったりしてしまう視覚性及び方向性注意障がいです。

文字が書けない…

こんな可能性が高いです。

失語症の場合、文字を書こうとすると、文字が頭に思い浮かばなかったり、文字を間違えて書いてしまう『錯書』といった症状が現れます。 ゲルストマン症候群は、左脳の頭頂葉損傷により生じる疾患です。失算・失書・手指失認・左右障害が4大徴候として有名です。

計算ができない…

こんな可能性が高いです。

失語症の場合、重症度にもよりますが、小学校低学年程度の簡単な足し算、引き算、かけ算、割り算が複合的に難しくなってしまいます。計算できても間違えてしまいます。 ゲルストマン症候群の場合、計算自体ができなくなってしまいます。そういった点で、失語症による計算障害とは差別化できますね。

言葉がでない!以外の症状パターン別解説【高次脳編】

その症状もしかすると、高次脳機能障がいのサインかもしれません。

何をするにも注意力がない…

こんな可能性が高いです。

右脳に損傷をおこすと、注意や記憶、遂行機能といった高次脳機能に影響が出ます。損傷箇所や大きさにより重症度が異なります。左脳損傷では、言語機能に影響がでます。 自閉症では、コミュニケーションや社会的相互交渉の質的異常が生じます。こだわりが強く、注意の分配や転換といった面が難しくなるのも特徴です。 子供のADHDでは、例えば授業中に落ち着きなく走り回るなど集団行動に溶け込めない事で発覚することが多いです。

動作の真似ができない…

こんな可能性が高いです。

  • 観念運動失行

道具の使い方がわからなくなった…

こんな可能性が高いです。

  • 観念失行

見えているが形がなんなのかわからない…

こんな可能性が高いです。

  • 視覚失認

片側の空間見落としがある

こんな可能性が高いです。

聞いた内容をすぐ忘れてしまう…

こんな可能性が高いです。

プランを計画するのが苦手になった

こんな可能性が高いです。

  • 遂行機能障がい

決まり事が守れない

こんな可能性が高いです。

  • 遂行機能障がい

同時に二つ以上の作業をこなそうとするとミスしてしまいがち

こんな可能性が高いです。

  • 遂行機能障がい

何度行っても道が覚えられない

こんな可能性が高いです。

   

言語聴覚療法の主な対象疾患【基礎知識】

広汎性発達遅滞【種類と特徴】

 

 

   

機能性構音障がい【種類と特徴】

 

 

失語症【種類と特徴】

 

   

運動障害性構音障がい【種類と特徴】

   

認知症【種類と特徴】

 

 

高次脳機能障がい【種類と特徴】

 

 

まとめ